CHANGE
- 2008/5/13
- ドラマ
木村拓哉主演の月9ドラマ「CHANGE」がようやく始まった。他の春ドラマは既に3回の放送は終わっており、異例のスロースタートである。聞くところによるとクランクインも相当遅かったらしい。制作全体の準備が間に合わなかったことによる遅れかどうか、私には分からないが、いずれにせよケツは決まっているだろうから短期決戦である。
父親を政治家に持つ次男坊で小学校教師が主演キムタクのスタート時点での役どころである。そんな中、この衆議院議員の父親と後継者とされていた長男が不慮の事故で一度に亡くなってしまった。補欠選挙が行われるようなったが、父が所属していた与党の政友党は総選挙につながる選挙としてどうしても負けるわけにはいかない。そこで身内の弔い合戦ということで、この次男坊を担ぎ出すことにした。彼は政治に興味がなく、そのために故郷を離れて教師をしている。ところが、母親を候補者として担ぎ出す事態に耐えられず、自らの出馬を決意した。
選挙戦は苦戦を強いられるが、ドラマ的には当選することが分かっているので見ている側には何の緊張感もない。選挙速報で対立候補に当選確実が出るなど姑息な演出もあるが、やはり緊張感はない。次週からは代議士としての話の展開に移るわけだが、番宣で「史上最年少の総理大臣誕生」とまで告知しているので、見る側はその予備知識の範囲でしか楽しむことができなくなっている。さあ、果たしてどんな展開が待っているのだろうか?。けど、予定調和でスリルや緊張感を味わうことはおそらくできないだろう。
政治のドラマは難しい。これまでもいくつか政治のドラマは存在したが、視聴率的にはいずれも苦戦していたと思う。そもそも本物の政治がドラマであり、それ以上の虚構のドラマなんて面白いはずがない、というのがその理由だと私は思っている。
<初出:秀コラム 第1498話>